運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

女子ワールドカップ グループリーグ 日本vsスコットランド

何の前触れもなく、話題をぶっこみます(笑)

男子の日本代表は正直興味がないですが、女子日本代表は応援しています。
日本代表嫌いなどというと非国民め等と言われたりもするけれど、僕にだって愛国心はある。
ただただサッカーが好きすぎて、男子日本代表は許せないだけだということは強調しておきたい。

その点、女子はいい。
何より素敵なサッカー展開してくれるし、胸打つ戦いを何度も見せてくれる。

で、この試合。
初戦も見たいなと思っていたのだけれど、ビデオ撮り忘れて、朝起きたら普通に報道を見てしまったので、第2戦から。

まず驚きとしては、女子サッカー、超モダンなフットボールに変わってる!!

前回、前々回のワールドカップでは、日本はきれいにボールつなごうと試みてはいたけれど、正直その精度はそこまで完成度の高いものではなく、全体としてはフィジカル有利、それに即したサッカーが展開されていたのに対して、まぁ、特にそのフィジカルを前面に押し出してくるだろうと思われていたスコットランドが、それこそキーパーまで使って繋ぐ素振りを見せたのは、心底驚きました。
最後の失点シーンなんてまさにそうだし、岩渕の先制点も超強力でブラインドになっていたとはいえ真正面で、ああいうのが入ってしまうなど、そこかしこに女子ならでは、というシーンはあったけれど、もうやろうとしているサッカー、いや、やっているサッカーはそれこそ男子と遜色ない領域に。
スコットランドがそういうサッカー目指して、日本と咬み合わせがよかったという幸運はあったにせよ。フィジカルごりごりチームに当たった時にどうなるか、っていうのも興味の1つ。

さて、日本代表。
ボールを丁寧につなぎ、でも、それを目的とするのではなく、縦に当てるパスを通し続けたところが素敵。いわゆるアタッキングサードの浮いたポジションで受けるというチーム全体の共通理解があり、そこでの岩渕のボールコントロールは、そのあとのドリブルも含めてアグエロに見えてしまったし、ポストプレイを高確率で成功し続けた菅澤はレバンドフスキにしか見えず。
まぁ、あの位置でボールキープできりゃ、そりゃあ、優位に試合進められるよ。そこに当てるパスの精度も秀逸。

また、そのFWを助けるべく、両サイドハーフが中気味にポジションとって、その外をサイドバックが回っていくのは効果的。これも、徹底的に仕込まれたチーム戦術の賜物。どうしてもチーム練習が少なくなる代表で、あれだけの共通理解を持つというのは、男子の世界ではなかなか見ないもの。
ちょうど1年前のアルゼンチンに見せてやりたいぐらい(笑)

中に入るだけでなく、ボールキープのタイミングでは外に張って、味方の息継ぎを促す、特に中島のポジショニングの妙は素晴らしいと思います。

そんな中、非常に効果的だったのは、統一されたチーム戦術の中、即興性も失っていないところ。
PK取れたシーンがそうなんだけど、いけるチャンスがあるときは、DF裏を狙うという殺傷能力の高い意志を持ち続けたところが良かった。


これだけ押し込めると、取られた瞬間はプレス、そこで奪えなければリトリートするという、現代サッカーでは常識となった守備戦術が生きてくるわけで。
リトリート時の味方との距離感というのは、ほんとに男子のサッカーをみてるような感じ。
剥がされるシーンは何度かあったけれど、味方のカバーが間に合ってるのは、この距離感のおかげ。

そのカバーを完璧にこなした市瀬がMOMかな。
テレビで抜かれるシーンが多かったのは、それだけ彼女が活躍していたということに他ならない。


まぁ、これでおそらくグループリーグは突破できそう。
上にも書いたとおり、フィジカルチームに当たっときはどうなか、という思いはあるけれど、日本人だからとか、女子サッカーだからとかを抜きにして、単純にサッカーを楽しむというエンターテイメント性は確実にあるチームです。