運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

J1リーグ 名古屋グランパスvs清水エスパルス

実は清水エスパルスが好きだったりする。

このブログではあえて触れてこなかったけれど、実は大の清水エスパルス好き。
ずっと愛知在住の僕がエスパルス好きになったのには理由があるのだけれど、ともかくJリーグ発足当時から応援し続けている生粋の清水サポでございます。

ちなみに、近親憎悪なわけではないのだけれど、名古屋グランパスは世界で2番目に嫌いなチーム。
どうしても毒が入ってしまうので、グランパスサポの方は、これ以上、読み進めないほうがいいかも。

なまじその地に住んでいるがゆえに、「名古屋」「名古屋」と連呼して喜んでいるサポを見ると、いや、いや、自分の町の名を呼んで何が嬉しいんだ?と思ってしまう。
「清水」は判る。だって、住んでない、遠くの地であるが故の憧れ、誇りを感じられる。

なお、世界で一番嫌いなチームは、ジュビロ磐田である。まぁ、これはエスパルスサポとしては当然。
じゃあ、レアル・マドリーは?という話になるのだけれど、今のマドリーは正直、好きではない。モウリーニョ、クリ・ロナの流れから、あいつら、ほぼ悪の巣窟と化してるやん(笑)。セルヒオ・ラモスとかマルセロとか。
けど、まぁ、モドリッチとかクロースとか好きな選手も多いし、マドリーのユニフォームだって持っているし。別にどうしても相いれないぐらいの嫌いではない。むしろネタを提供してくれる存在として、好きと言っても間違いではないレベルである。

僕の中では、エスパルスバルサも全くの同格なのだけれど、ライバルへの憎しみという観点で言うと、エスパルスのほうが上に立つのかもしれない。



我が家のエスパルス


僕はもう25年に渡ってエスパルスを応援しているわけだけれど、息子たちの状況は、というと。

次男坊
別に嫌いではないのだけれど、そこまで意識はしていない。
勝って、嬉しい、嬉しい、と言ってたけれど、じゃあ、エスパルス好きになる?、ユニフォーム欲しい?と聞いても、クールに肩を竦めるだけ(笑)

長男
完全にはまっております。好き度で言うと、もしかすると僕のそれを超えているかも。
試合中も、リードした終盤、追いつかれないかと不安そうにピッチを見つめる眼差し、ロスタイム決着弾が決まった後の笑顔(普段、恥ずかしがり屋で感情を表に出そうとしないがゆえに、どれだけ嬉しいのか伺える)。
本当に好きな人が見せる表情、そのものです。たぶん僕もおんなじ表情している(笑)

エスパルスサポになるように誘導したんだろ、とよく言われる。まぁ、別に間違ってはいないけれど、訴えたいことはある。
というのも、長男、初めて見に行った試合、「グランパスvsエスパルス」。
次に見に行ったのは、会社でタダ券貰えた「グランパスvsマリノス」。

判るでしょ。
こと試合観戦については、グランパスから入っているのだ。そこで、(しかも地元住民の)子供を惹きつける試合を見せられなかった地元チームに問題があるのでは、ということは強調しておきたい。

その後、年長だった長男は、2部を戦うエスパルスにどんどん魅力を感じていくことに。
前段の「グランパスvsマリノス」がイマイチだったため、FC岐阜とのアウェー戦に長男を連れていく。更にグダグダな試合内容だったけれど(笑)、それでも長男はエスパルスサポが必死に応援する姿に興味を持った様子。

家族旅行で静岡行った際には、エスパルスドリームプラザに妻と次男坊を置いて、日本平デビュー。山形戦でキャプテン大前の戦列的な復帰弾で完全にはまりだし。

セレッソとのアウェー戦では、終了間際の大逆転劇を目撃し(ちなみに、この試合は妻と次男坊も来ていて、あまりにもドラマチックな展開過ぎて、妻が「やばい。騙されて好きになるかも」と言っていた)。

勝てばJ1昇格の徳島アウェー戦も往復8時間の車移動もなんのその、昇格のその瞬間をスタジアムで生で見るという経験も得て。

こんだけの思いをさせられたら、そりゃ、好きになるでしょうに。


そんな僕らにとって、とはいえ、日本平まで行くのはなかなか容易なことではなく、なのでグランパスとのアウェー戦は1年に1回のお楽しみなのである。



さて、試合を振り返ろう


【公式】ハイライト:名古屋グランパスvs清水エスパルス 明治安田生命J1リーグ 第16節 2019/6/22

まぁ、相手にボール持たれて、という形は生観戦している身からは嬉しくはなかったけれど、そこでしっかり守りを固めて、少ないチャンスをしっかりとモノにするのがエスパルスのスタイル。
そういう点からすると、そこまで決定的な形は作らせなかったし、相手の腰を引かせるぐらいのカウンターは見せれていたし、悪くない前半。

バックスタンド側で見ていたのだけれど、金子の献身的な守備が凄い。対面の吉田豊がうまい具合に裏を狙って、実際何度かヤバイシーンはあったのだけれど、一つ後ろのエウシーニョと連動して、相手がボールを動かすたびにきちんとポジションを修正して。
もちろん個々の意識の高さもさることながら、これはもうチームとして徹底的に規律を植えられている証拠。負担のかかる戦術だけれど、それを選手たちに納得させられるだけの説得力とコミュニケーション能力を篠田監督は持ち合わせているというのがよく判る。

後半になると、徐々にバイタルエリアでボールを持つ機会も多く。割とその度にそこそこのチャンスが作れるというのは、エスパルス前線のクオリティが高いのか、グランパスの守備が甘いのか。
でも、取られる可能性は高いかもしれないけれど、危険なところを突きましょうという、これまたチーム全体の意思統一はできていたように感じる。

まぁ、どうしても決勝点取った西澤がそれに当たってしまうのだろうけれど、MOMとしては竹内を推したいなぁ。
レナト・アウグストと組み、中盤でボールを回収しつつ、上に書いたように、危険なところにボールを出し続けた。
特に後半、金子と六平が交代して、ポジションを一列前に上げてからは、その攻撃能力を遺憾なく発揮。
運動量もピカ一だし、キャプテンとしての存在感も大きさもあったし、とりわけパスセンスの高さ、さらにそれらを時間帯・ポジションによって使い分けられるサッカー脳の高さは、少なくとも、この試合ではナンバー1でした。

そんなポジション変更も功を奏し、徐々に得点のにおいが漂ってきた中、右サイドからのクロスに合わせたドウグラスの5試合連続ゴールで先制。
エウシーニョが中に入りつつ、いつの間にか前線に上がっていたレナト・アウグストに意表を突いたアウトサイドのパスを通したところが起点。これもなかなか通らないであろうポジションに向けたパスだったのだけれど、そこはチーム全体として狙っていくという統一感が結実した瞬間でしょう。

リードしてからはレナト・アウグストがその存在感を遺憾なく発揮。
前半は、こいつ、なんてパスセンスのない野郎だと思いましたが(笑)、フィジカルを前面に出せるシーンではほぼ無敵。長いボールが多くなった中、DFラインの手前で毎回競りに出て、そのほとんど全てを競り勝つという無双ぶり。

そんな中、最後はグランパスのパワープレー。時間帯的にはそういった選択になるでしょう。
ましてや、グランパスストイコビッチ時代から闘莉王を前に上げるという伝統的な戦術。

余談になるけれど、優勝した時代、リードされていると残り20分もあるのに、もうパワープレーをしだして、当時バルサ-スペイン代表のティキ・タカが一世風靡していた中、なんと旧時代の戦術だと驚いたものでした。
確かにそれで競り勝てていたし、勝ち負けという観点においては非常に効果のある戦術だったのだろうけれど。
ベンゲルの後釜でストイコビッチアーセナルを率いるのでは、なんて話もマスコミに上がっていたけれど、サッカーを見たことのない人の戯言でしかないと思っていました。あんな戦術を選ぶような監督が、アーセナルを率いれるわけがない。
現在、中国で監督をしているみたいだけど、まぁ、あれだけ選手として実績があり、かつ監督としてもJリーグ優勝という実績がある中で、それでもヨーロッパから声がかからないのは、そういうことなんじゃなかろうかと。


で、そのパワープレー。
この最終盤に限らず、ファン・ソッコも二見もジョーに引けを取らないフィジカルを見せていたのだけれど、ついに悪い具合にこぼれ球がペナルティエリアに落ちることに。
しかも、松原が倒れていて出遅れるという羽目に。ジョーのファウルじゃねえの、とも思うけれど、そこは頑張って踏ん張ってほしかったところ。
この試合、結局グランパス側としては一番脅威な存在になっていた前田のカットインから、同点弾を食らう羽目に。

そこで、下を向かなかったエスパルスイレブンは、前節でやったったという事実も後押ししていたし、あくまで最後まで勝利を目指していた、というのが伺えるのが、決勝弾のゴールシーン。
エウシーニョがこれまた中に入ろうとして、つつかれて。そこで取られたらカウンター。ゴール前に人もいたし、リスクを考えるなら放り込んでも、という中、ボールをこねつつマイボールを固持したところが、始まり。それはやはり点を取るんだ、という気持ちの表れだと思う。
そこから右サイドに展開され、グランパスもあの流れで、スタジアムの雰囲気で前に出たい者、ディフェンスを忠実に守る者のギャップが出た隙に抜け出し、最後はマイナスのクロスから西澤が、恐ろしいまでのラッキーボーイぶりで2試合連続ロスタイム決勝弾。
ちなみにですが、長男、最近マイナスのクロスというものを練習したらしく、最高のお手本となりました。

1つの記事としてだいぶ長くなってしまったので、とりあえずいったん締めますが、現在の置かれている状況・手駒から、リアリズムを貫いたエスパルスが勝利を収めたという試合だったのかな、と思います。
せっかく生観戦行ってきたので、スタジアムについてと本当はしたくないけど(爆)グランパスの印象については、次回語ります。