運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

マルセイユの歓喜

PSGが負けたことにより、マルセイユサポーターが大喜びしているという記事をそこかしこで見る。

とある週刊誌では、それを話題にするコラムもあった。

 

国内のライバルクラブが、敗退した相手を嘲笑う、というのは海外サッカーあるあるである。

ただ、その感覚は一般日本人には俄に受け入れられないものらしい。

 

昨日の敵は友的な感覚なのか、クラブよりもナショナリズムが優先されてしまうのか。

 

国の代表として戦うからには応援すべきという同調圧力があるように感じる。

僕なんかいっぱいありますけどねー。こないだこの選手にエスパルスがやられてむかつく、だとか、あのチームの選手だから嫌い、だとか、プレイスタイルが嫌い、だとか。

その感情を抑え込んで、代表だから、という理由で応援できるの、凄いけどなぁ。

 

正直、日本代表よりもスペイン代表を応援しているけれど、やっぱしセルヒオ・ラモスがやらかすとざまあみろ、と思ってしまうし、カルバハルじゃなくて他のを使ってくれないかなぁと思ってしまう。

 

性格悪いですか?

そうかもね。

 

で、この性格。

海外サッカーに毒されてこんなふうになったわけでもなく、子供の頃から形成されていたのでは、と思わざる得ない出来事を覚えている。

 

サッカーはこんな感じだが、野球に関しては素直に地元の中日ドラゴンズを応援していた。

親は巨人ファンでそこに対する反発と、監督だった星野仙一の巨人に対するライバル視、それと成績もよく巨人と優勝を争う時期も多かったこともあり、僕の中では、巨人は倒すべき敵という認識だった。

そして、それは同じ中日ファンであるクラスメイトも同じ気持ちであると思っていた。

 

 

ちなみに、話は逸れるが、この当時は星野仙一は好きだったが、第2時政権下で嫌いになる。

それは、ナゴヤドームに本拠地が移り、広い球場では繋ぐ野球、守備の野球が必要だとそれに見合うメンバーを揃え、セ・リーグ制覇という結果を残したにも関わらず、短期決戦の日本シリーズに負けたぐらいで、日本一になるにはホームランバッターも必要だと宣いだし、いきなり外国人スラッガー頼りだすという一貫性の無さを露呈したからだ。

しかも、その日本シリーズ、負けたのは大砲不足ではなくて、星野の采配である。

相手はダイエー。大エースとして工藤公康はいたが、2番手以降は小粒。こちらもMVPを獲得した野口がエースとして君臨していたが、他のピッチャー、打線の質も合わせ、総力戦という形であれば中日に分があった。

 

ダイエーとしては、野口に工藤をぶつけて勝つ、相手エースから勝利をもぎとり、局地戦での勝利を重ねるしかなかった。

だから、初戦でエースの投げ合いする必要なんて全然なくて、初戦は川上憲伸を工藤にぶつける、よしんば負けたとしても次戦、野口で確実に勝つ。

そういった用兵をすれば、負けるような戦いではなかった。

そのシーズンの川上の戦績はよくなかったが、開幕ピッチャーもオールスター明け初戦も先発していて、そのジンクスにあやかる為に抜擢したという理由だってつけれた。

 

 

閑話休題

 

で、巨人憎しである。

 

その年、日本シリーズは巨人対近鉄

巨人憎しもあるし、たまに近鉄ナゴヤ球場で試合していた縁もあるし、中日ファンなら近鉄を応援するの当然でしょ、と少年は考えていたわけですよ。

 

なんでそんな日程になっていたのか、よくよく考えると不思議なんだけど、平日なのに日本シリーズをデーゲーム開催していて、給食の間だけ、教室のテレビで日本シリーズを見せてくれた。

どうなったか、話の流れで判ると思うけれど、クラスメイトの圧倒的多数が巨人を応援していたわけですよ。

近鉄応援していたのは僕ともう1人だけ。

そのもう1人が応援していた理由は知らん(笑)

 

いやぁ、ショックでしたね。

あいつら、敵やら。何で応援するの、と聞いても、セ・リーグ代表でしょ、とか返ってきて。

中日ファンだから、ベースはセ・リーグで、破れて悔しい敵でも、僕らの代表だから応援しなきゃ、ということらしい。

 

この辺の感覚が、けれども、まぁ、日本人としては一般的なところなんでしょうね。

いくら同じリーグに所属しているとはいえ、ライバルチームで、挙げ句、金で選手漁って強くなりやがって、という恨み節もありつつ、そのまま優勝されたら国内で唯一のチャンピオンズカップ優勝クラブという肩書も剥がされて、というマルセイユ歓喜を、それでも異質なものとして捉えるのが、日本人的感覚。

 

僕だったら、マルセイユサポーターと同じ事してますけどね。

そうでいたい。