運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

EURO2020 一回り終えて

正確には一回り強ですが。

ベストマッチは、デンマークvsベルギーかな。
エリクセンを失い、1戦目はその衝撃に飲み込まれたままだったけど、2戦目は逆に魂を込めて優勝候補に真っ向勝負。
3バックを採用し、完全マンツーマンのミラーゲーム。その意外な戦術に驚いたのか、前と後ろの距離が空いたベルギーに効果的にヒット。これよ、これ。マンツーマンが基本の子供たちに教科書として教えたいぐらいの内容で終えた前半。惜しむらくは、そこで追加点を取れなかったこと。ここはもう、本当に残念だけれど、選手の年俸の差に違いがあったということかな。
一方、ベルギー。怪我明けで温存していたデ・ブルイネ、エデン・アザールヴィツェルを投入。決勝トーナメントまで温めておいて、という考え方もあったんだろうけれど、見事に後退がはまったということもあって、この段階でこういう戦いをこなせたというのは良かったのかも。
デ・ブルイネはもう文句なし。上手さと強さを兼ね備え。アザールは、初戦もそうだったけど、あれ、意外とコンディションいいぞ。
そして、ヴィツェルの存在でかいかな。ティーレマンスが十分ゲームメイカーの役割をこなしてくれているんだけど、ちょっと我を出しすぎるというか、チャレンジングな球出しが目につくんだよなー。セスク・ファブレガスみたく。そういうやつ、大好きだけど(笑)。ただ、前線にあれだけタレントいるんだし、確率の高い球出ししておくほうが結果的にはいいのかな、と感じていて。ヴィツェル入ってくると、そのあたりの役割をきちっとこなしてくれて、ティーレマンスも前に上がっていけるという好循環を作り出していた。
でも、さすがだね。同点ゴールのシーン。それまでミスのなかったデンマーク守備陣が一瞬かぶったところを見逃さず、ルカクがドリブルで突き進み、ゴールまで決めてしまうところ。上にも書いたけれど、これが年俸の差ということでしょう。

一方、同じくフランスの対抗馬と目されていたイングランド。1回り目のクロアチア戦は好勝負だったけど、スコットランドとは大きな見せ場もなく、スコアレスドロー
ポゼッションは丁寧にやってはいたけれど、結局のところ、相手守備陣形の外で回しているだけ。自慢のスリートップもディフェンスラインに張り付いちゃってるし、インテリオールも真ん中で受けるという意識も希薄。当てれるシーン、なくはなかったけど、アンカーのライスもクサビのボールを全然出せず。まぁ、ここ、弱点だね。それこそさっき書いたヴィツェルティーレマンスだったり、ジョルジーニョ、ロドリ、クロースあたりだったら、十分に通せるだけの時間的余裕はあった。ウィンクスみたいなタイプを入れておかないと、現代サッカーは苦労するよね。

そして、同様にポゼッションしまくったけれど、スコアレスに終わった我がスペイン。
途中でのポゼッション率85%って、そんな数字初めて見たよ……。全体通しても75%って。相手、スウェーデンだぜ。
とはいえ、点とれず、勝てなかったのは確か。まぁ、モラタが決めてりゃね、ってことなんだけど。モラタって、決定力高い印象持ってたんだけど、実際に試合でその能力をそんなに見せたことないんだよなぁ、と思ってて、ついにその答えに思い当たりました。第1期ユベントス時代の対マドリーに対する決定力の高さが強烈な印象で残っているだけ(笑)
そんなモラタ、僕は好きですけどね。最前線でディフェンスライン押し下げながら、パスを受けるために顔を出してくれるし、パスサッカーで不足しがちなドリブルでの運びもできるし。けど、やっぱ点とってくれないとね。
イングランドなんかよりは全然中央にボール当てれてたし、悲観するような内容ではない。きちんとティキ・タカしてくれてたしね。ただ、当初から判っていたことだけれど、流れを変えられる交代カードがない。前線は同タイプが並ぶし。トラオレは流れ変えれるかもね。ただ、あの展開で彼を入れても活きない。
中盤もなぁ、思った以上にコケが前線まで飛び出してチャンス作ってくれてたのはありがたいんだけれど、サウールとか、右サイドバックアスピリクエタいれてマルコス・ジョレンテ上げるとか、2列目から追い越せる選手がいないなぁ、という印象。もしくはカナーレスみたいな前でアクセントのついたパス出せる奴、メンバーに入れておけば。ファビアン・ルイス、なんとかその役割、担ってくれないかなぁ。
アゴはダメだよ。あれ、入ると逆に遅くなるから。スタメンからとか、優位な状態から使う分にはいいけど、膠着状態を抜け出すのには適さない。
ペドリも頑張ってたけどね。中のスペースで受けようとする動きは秀逸。ただ、18歳になんでもかんでも背負わせるチームってどうなのって思うし、今シーズンの終盤で感じたのは、ペドリってシュート下手だよね?? エリア内で決定的に近いシュートふかして、いや、いや、そのシーンを作り出せるのが偉いんだ、って擁護してきたけど、なんか、そういうの多くね? そういうところもイニエスタに似ています(爆)。

最後にもう1チーム書きたい。
イタリアが調子よいと思われてるけど、スイスはまだしも、トルコに勝っても何の自慢にもならんぜ。それだけトルコがひどかった。
ポゼッションする、奪われた瞬間にハイプレスする、そこで取れなかったらしっかりブロック作ってリトリートする、というのが現在のスタイルの中で、なんだあの下手くそなブロックの作り方は。ちょっと近年、思い出せないぐらいのひどさ。
まーね、練習時間の限られる代表だとこんなもんだよね、なんて思っていたら、他のチームはちゃんとやれとるやないか。お前んとこ、どうなってんね。
前線・中盤が無駄につつきに行く、時代錯誤的に低いディフェンスライン、バイタルエリアぽっかり。せめて中を切る位置取りしておけばまだましなのに、だーれも中を閉めない。いくらイタリアがポゼッション寄りのチームに変貌したといえ、あれだけバレッラに中で、しかもアンカーの後ろでパスを受け取らせるって、完全にディフェンス組織が崩壊している。だって、先制点の時、あの位置でバレッラ、何秒間フリーでポジション取りしていたよ。パスコース切るとか、ディフェンスライン上げるだとか、いくらでもできただろうに。
トラップもぽろぽろこぼすし。チャルハノールがものすごく上手く見える。いや、上手いよ、上手いと思うけどさ、これまた他のチームでもぴたっと足元止めてる選手がほとんどなのにさ。
ほんとに久々にひどいものを見ました。現代サッカーに逆行してるぞ、あのチーム。