運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

EURO2020 ベスト4決定

あまり語ることが少ない順で(笑)

 

僕が気になるチームとして挙げたウクライナを一蹴したイングランド

ハリー・ケインに当たりが戻ったのと5試合クリーンシートと、まさに横綱相撲的な試合運び。挙げ句に残り2試合ウェンブリー。

 

ドイツに勝ったというのは何はともあれ大きい。

目の上のタンコブだったイタリアを下し、EURO2008優勝。その後、黄金期を築いたスペインの流れに似てなくもない。

 

そのイングランドと相対するのは、難敵チェコを下したデンマーク

後半早々に1点返された時には、あかん、これ。絶対に最後まで保たないと思ったものですが、フォーメーションチェンジを繰り返し試合を落ち着かせたのは紛れもなく組織力の賜物なのだろうけれど、怖がってラインを上げられないディフェンス陣、カウンターでトドメを刺せそうなのに仕留めきれないFW陣、ボール繋いで時間を潰せばいいのになんか狭い方にいってロストするところといい、さすがにサッカー大国に比すると厳しいところが目立った試合という印象。

ホイビアとディレイニーが必死に繋ぎ止めて、最後はカスパー・シュマイケルがなんとかしたという。

 

勢いはあるので、これまで無失点のイングランドから決して点は取れなくないとは思うけれど、それ以上に点が取られる予感プンプン。

なんとか先制点奪って、追加点も奪って、なんとか相手サポーターも含めて焦りを感じさせることができれば。その展開まで行きつける可能性は相当低いけれど、ここまで来たら、やってやろうぜ、デンマーク

 

ベルギー対イタリアという準々決勝随一の対戦カードは、イタリア圧勝という結果に。

アザールの負傷は後述するとして、なんとか負傷から間に合わせたデ・ブライネがどうもかなりの重症を押して出ていたというのはかなりのマイナスポイントとはいえ、圧倒されたのは開幕前に不安視されたディフェンスラインの不甲斐なさ。

元々スタメンで出ていたボヤタの何が気に入らないのか知らんが、前の試合についでベルメーレン、スリーバックの真ん中で登場。

えーと、勘違いしてほしくないのは、僕は決してベルメーレンが嫌いな選手ではないということ。

バルサでは負傷続きではあったけれど、左利きでボールを蹴れるセンターバックは好きだし、なによりアヤックスからアーセナルに移籍してきた初年度の活躍は本当に輝かしい。だから、僕はベルメーレンを見るのは嫌いではない。

勝敗を度外視しなければ。

 

いや、いや、さすがに世界最高峰の舞台に出てくるレベルではないでしょ。

脇を固めるヴェルトンゲンもアルデルバイレルトも、やっぱりスピードの衰えは顕著で。

そんなスリーバックが戦うのは、裏を取るのが超得意なインモービレ

はい、ベルギーのディフェンスラインビビりまくり。

なんですか、あの時代錯誤的に深いディフェンスラインは。あれじゃあ、ボールを回すようになったイタリア好き放題するし、どちらかと言わなくても攻撃に重心を置いているヴィツェルティーレマンスではスペースを埋めきれん。

 

2点目のインシーニェが判りやすい例。

1人剥がしたのは彼の才能によるものにせよ、そこに誰も詰めずだらだらと下がるだけ。あれだけの余裕とスペース与えたら、そりゃゴラッソも出ますよ。

 

こうやって書き出すと、あのスピード不足のディフェンスラインは開幕前から不安視されていた要素で、そこに一番驚異を与えるセンターフォワードインモービレで、そうなると最も相性の悪い相手とベルギーは当たってしまったとも言える。

 

ベルギーはもうちょい押し込める算段だったんだろうね。

即時奪回したいイタリアをデ・ブライネがドリブルで剥がすシーンは幾度もあったし、リトリートされてもポジションチェンジを頻繁に繰り返すデ・ブライネとアザールがいれば、もっとイタリアに混乱を与えることができたはず。

 

アザールいれば、ね。

 

他の面子がどう思ったのか知らんが、重症を押してデ・ブライネが出てきたのに対し、この大事な時に何を怪我しちゃってんの10番でキャプテン様。

なんとなーく白けた感じがしちゃいますが。

こういう試合展開こそ10番&キャプテンがなんとかしてきたのを見てきた僕として、そもそもその場にいないようではそりゃ優勝できんわな、と思う次第で。

 

さて、そのイタリアとぶつかるスペイン。

えーと、よく勝ったね(汗)。

PKになった瞬間、オワタと思いました。

 

後述するけど、決してスペインは悪くなかった。むしろ良かった。

けれど、献身的なスイスのディフェンス。神がかったゾマーのセーブ。テンションの上がるサポーター。ほとんどプレーに絡んでないウナイ・シモン。

いや、これ、完全に負ける流れでしょう。

 

しかも、一人目、完全に逆をついたのにポストに当てるブスケツ

二人目で止めてくれたのに、最終盤の交代でこのPKのためだけに投入されたロドリが見事に止められる。

どう見ても勝てない流れ。

 

ウナイ・シモン、神。

 

よくもあの流れに抗ったな。

4本中3本止めるって。

しかも、上に書いたように、あの悪い流れの中で。

 

漫画なんかだとたまにあるよね、こういうの。

PKだけど、キーパー凄くて全然入らんみたいな。

あれ、フィクションですから。

だって、ヨーロッパリーグ決勝。どちらも10人連続で止められず、ようやくキーパー同士の決着で決まったんだぜ。

その負けたキーパー、デ・ヘア

もうスペイン代表ゴールキーパーはウナイ・シモンで文句はないですな。

 

とにもかくにも勝ったスペイン。

内容的にはともかく、流れ的には負け必至なところをきちんと勝ち上がりに繋げたところは、勝負強さとして歴代スペイン代表が慢性的に欠けていたものだから、この勝負強さは喜ばしい部分。

120分で決着をつけられなかった事実はあるにせよ、同点ゴールは多分に運がなかったところもあるし、相手1人退場になったにせよ、その状態でも攻めあぐねるチームが多い中、きちんと決定機を作り出して、いつかは点取れそうな雰囲気を出せたのは、決して悪くない。

それ以上にスイスが頑張ったということ。

 

 

さて、次はイタリア戦。

本物のティキ・タカとはこういうもんだぞ、というのを見せつけたるわい。

 

お互いボールキープ率にはこだわりもってボール回すんだろうけど、ポイントになるのは取られた瞬間かな。

そこでどれだけプレスをかけて、いや、プレスはかけるんだろうけれど、そこで取りきれるか。

取り切れれば、そのままゴールまで向かえるし、少なくとも相手がボール持つ時間を減らせる。

 

そこのせめぎあいでどちらが優位に立てるか。

イタリアが優位に立てるなら、そのままイタリアが勝利するでしょう。

ただ同じスタイルを目指したドイツが、EURO、W杯でついに直接対決で勝てなかったように本家に対して模倣で勝つのは至難の業。

ただし、イタリアには守備の文化がある。目指すやり方で不利になると感じたタイミングでやり方を変えることができれば、正直、今のスペイン代表にそこを突破できるような個の能力はないように思う。

 

まずはスペインが自分たちのやり方を突き通して優位に立つ。立てなきゃ負ける。

立ったところで、イタリアがどれだけ引き出しを持っているか。

 

個人的には別にルイス・エンリケが名監督とは思わんが、それ以上にマンチーニが名監督とは思えないので、そういったのも含めてスペイン勝ってほしい。

いや、むしろマンチーニって、どちらかと言えば……。