運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

つい勝ちたくなる気持ちも判るんだけど

EUROの最中に少年サッカーの話。

普段は次男の3年生を見ているので、長男の5年生が普段どういうった形で練習しているのかは判らず。
ただ、少し前はアーリークロスの練習(攻め手がドリブル中央突破しかないので、攻撃のバリエーションを増やしたい。アーリークロスするには必然的にボールを外に回さなきゃいかず、勝手にコートを広く使えるようになる、という狙いだと思う)、最近はGKから繋ぐ練習(GK専門2人いて、1人は足元も上手なんだけど来たボールをボカンと飛ばすだけ。もう1人はセービング能力高いんだけど、足元が上手くない。少年サッカーあるあるのゴールキック地獄から抜け出せない)をしている。

そのやり方については、いろいろと思うことはあります。
GKから繋ぐ練習。GKも含めてボール回しに参加しよう、困ったらGKに戻そうはいいんだけど、GKを使うことが前提になってしまっている。
サイドバックが思い切って開いて、そこにGKからパスが出てきても、同じ向きにトラップしてしまって、結局GKに戻してしまうという。
なんのためにパス繋ぐの? 最終目標はゴールでしょ。じゃあ、選択肢の1番手は前だよね。サイドハーフがしっかりとライン際まで開いてパスコースを作る、そうすればセントラルハーフの周りにもスペースできる、いっそ飛ばしてFWに当ててもいい。
もちろん上手くいかないこともある。マークに捕まってる、寄せが早かった、トラップをミスった。その時に当然、戻すという選択肢は間違いじゃない。
でも、その選択肢しかないから、相手だってGKへの寄せが早くなる、そういうポジショニングを取る。中がら空きなんだから、セントラルハーフに当てりゃあいいのに、思ったこと数知れず。

トラップの体の向きって本当大事だなぁと感じてます。
選択肢を増やすには、まず視野の確保。
ボールを受けるときの体の向きが問題なんじゃないかな、と個別には話をしてます。時には5年コーチに聞こえるぐらいの大きい声で(笑)
っていうのを聞かせたのに、いざ練習試合でサイドバックの子がしっかり前に向き、サイドハーフの子に当てると「違う!!」と怒鳴るという。まずはこれをやろうぜというのは判るけれど、はぁ、困ったもんね。

そのあたりのことは長男は上手だね。トラップでしっかり前を向こうとするし、ダメだったときはきちんとキーパーに返すし。


それはさておき、書きたいのは練習試合の話。

こうした新しい試みを当然練習試合でもトライ。

まずアーリークロス
カップ戦で負けた因縁の相手だけれど、メインコーチ曰く、せっかく新しいことを試しているんだから、上手くいかなくてもいいから、まずはそれをやってみよう。今日は20分ハーフで前後半でメンバー入れ替えていくから。
コイントスで勝ったのは我がチーム。てっきりボールを選ぶかと思ったら、陣地選択。どうして?と聞くと、だってこっちが風上だから、前半だけしか出ないならこっちのほうがいいじゃん。おお、賢い。ずる賢い(誉め言葉)。

で、じゃんじゃんアーリークロスを狙う。上手くいかないけど、狙う。それはいいこと。
守備陣も踏ん張る。スコアレス。
欲が出て、結局レギュラーメンバー代えず、後半もGO。結局、負ける。
子供たち、アーリークロス固執。そりゃそうだ。怒鳴るコーチ、試合後、あそこはアーリークロスじゃなくて切り込んだほうがチャンスになったろうが、と言い出す。
いや、そりゃ、そうなんだろうけど。サッカーって判断するスポーツだから、判断の放棄はしちゃいけないし、そもそも選択肢を多く持つという目的で始めたものだから、ドリブルの選択肢なくしたら本末転倒ではあるが。
でも、普段からそういう教え方してますか?

次の試合、強豪チームと。前回負けたとはいえ、なまじ善戦してしまったので再度申し込まれる。
絶賛繋ぐサッカー挑戦中。完成度20%。
どーすんのかなー、強豪チームとやれるので自由にやらせるのか、挑戦を続けるのか。

メインコーチ、挑戦を選択。
相手、強いから上手くいかないことも多いだろう。でも、やろうとすることが大事。
そう言って送り出す。

子供達、素直。ボールを回そうとする。ゴールキックは、必ずすぐ脇のセンターバックから始める。
当然、捕まる。この間の善戦が嘘みたいに点取られる。愚直に続ける子供達。
しかし、ハーフタイムで見兼ねたヘッドコーチが語る。ゴールキック、狙われてるよね。何回も失敗してるよね。これをやりたいは判るんだけど、そこが狙われてるなら、別のことをするという工夫が必要なんじゃない?
ごもっとも。おっしゃるとおり。でも、それを子供に強いるのは……。練習時にその工夫をしようとしたら、なんでやろうとしねえんだ、と普段から怒鳴られてる子供たちには。

実際、帰宅してから長男にどう思ったか聞いてみたら、戸惑った、と。言ってることが違う、と。

まあ、ヘッドコーチは仕方ないにせよ、学年メインコーチは貫いてほしかったというのが正直な感想。

大人ですら、判断は難しいよ。

フットサルでの話。
練習試合。個の能力的には、僕ぐらいのレベルだったので大したことはなかったんだけど、とにかくチームとしてはしっかりと意志統一のされたチームと対戦。
うん、こりゃなかなかに強い。

どうしても押される展開。まぁ、仕方ない。我慢強く戦うしかない。
その我慢が出来ない幼稚な主催者。イライラしっぱなし。
自分がキーパーしててキャッチすると、おい、前に引っ張れよ、と怒号。
唯々諾々となる子たち。決して下手くそな子たちではないんだよ。そこそこはボール蹴れる。でも、部活とかではサッカーやってきた経験はないんだろうな、というレベル。
そりゃ、言われたプレイしますわな。キーパー持った瞬間、ゴールキックになった瞬間、2人が一目散に相手ゴール前まで走る。
効果的だったのは3プレイぐらい。そりゃ、そんなの見せられたら相手も下がるわ。でも、怒鳴られるから愚直に繰り返す。
次の瞬間、新たな罵声が。受けに戻ってこいよ、そんなことも判らんのか。

いや、俺は判るけどね。
けど、あなたが思考能力奪っておいて、そこから別のプレイしろって。
当然、サッカー経験ない子たちは右往左往。大人ですら、こんなもん。


もちろんサッカーは判断をするスポーツ。その大前提を失っちゃいけない。
けれど、一方で根付かせるためにあえて反復練習させているところもあり。
その切り替えは子供たちに提示してあげないと、自分たちだけで切り替えは難しい。
ましてや、大人たちの勝ちたいという気持ちで変わってしまう判断基準は、きっと子供たちには伝わらないとおもう。