久々の2対1の練習
緊急事態宣言による活動中止前の最後の練習での話。
3年生になったというのと、某有名少年サッカーコーチの動画見ていたら、低学年の頃から他者の存在を感じさせながら練習させなきゃいけません、と語っていたので、春先はよく行ってた2対1の練習。
四角コートの片面両端にドリブル通過ゴールを設定。そこに向かう攻撃側2人。守備は一人で守り、ボール奪って逆側のコーチにパスしたら勝ち。
圧倒的に攻め側有利。まだまだパスもままならないし、トラップだってうまくいかない。これぐらい有利な状況作って成功体験を植え付けてあげねば。
3年生はまだまだ自我が強い。なので、2対1とはいえ、まずはドリブル。
僕としてはパスをしろではなく、むしろ味方に出すと見せかけてドリブルしなさいと指導していたが、どうにもパスの意識が強くなって、うん、これ続けるのは時期尚早だな、とここ3ヶ月ほどは封印してドリブル特化の練習に。
ただ、今回は大きいスペースがあり、残り40分は4年生と試合しようということで、少しチームプレイの一端を思い出してほしくて敢行。
いやー、久々ですが、想像してた以上に、みんな、上手くこなしてくれました。
味方に視線を送っておいて、最優先の選択は縦へのドリブル突破。
ドリブル大好き次男坊や、強引に突っ込むのが好きな子たちだけでなく、周りに配慮ができる子で、つい選択肢がパスに偏っちゃいそうな子も、ちょっと無理そうな間合いでも自分を信じてドリブルを試みてくれて。
味方も、つい守備側がケアしてしまいたくなるように、外側に広がって受ける動き。パスこれば、それで1点。割とスペースへのパスも多かったけれど、驚くべきことにトラップも上手で。
春先は圧倒的に攻撃有利にも関わらず半分ぐらいしか得点できなかったのが、8割ぐらい入るように。素晴らしい成長具合です。
勢いにのって、もう1つゴール追加しての3対2。これもそこそこ上手に。
あえて何も言わなかったけど、自分の目の前のゴールに向かうだけでなく、逆サイドのゴールまで走り込むという工夫も見せてくれた子もいて。
コーチ2人も入ってもらったけど、こういうシーンが。
ボールは真ん中の子が持っていて、左サイドのコーチが超でっかい声でヘイ。釣られてパス出しちゃう子。結局、そのパスをダイレクトで逆サイドに振ったコーチのパスミスで終わるわけだが、ハイ、ストップ。
今、見てご覧。守備の子って、どこ守ってた?
一人はボール持ってる子についてきて、もう一人はコーチをマークしてるよね。
コーチがヘイって声出したからパス出したけど、これってコーチにパス出して有利になる?
もちろんコーチは大人で上手だからパス出しておけば有利になるって思ったかもしれないけど、右の子にパス渡せたら誰もマークついてないから1点だよね。
しっかり顔上げて、周りの状況をよく見て、何が1番いいか判断してね。
みんな、自分がボール欲しいから、コーチがヘイって声出すのは決して間違ってない。でも、声かけられたからって、そっちにパス出すかどうかの判断は自分で決めるんだよ。声かけられたら、絶対にパス出さなきゃいけないなんてルールはない。
それと、右サイドでフリーになっていた子、声出して教えてあげられたらよかったね。コーチよりも大きい声出せれたらパスもらえたね。
何か言われたから絶対にそれをしなくちゃいけないなんてことはない。
決めるのは君だ、って事は伝えていきたいなぁと常日頃から思っていて。
それを訴える場を作れたことも、より有意義な練習になりました。
もちろんこういうルーティン的な、限られた状況の中だから上手くいっただけで、実際に4年生とのゲームでは全然上手くいかず。
そーだよね、ポジション守るだけで精一杯。それに気を使いすぎて、追い越す子もいなければ、危険察知してライン下げる子もおらず。
唯一、次男坊はできてたかな。センターバックの時は、裏取られないようにすっとポジション下げたり、左のフォワードなのに右サイドバックの位置まで戻ってきたり(笑)。おい、コラ、とも思わないでもなかったけど、考えすぎて動かなくなるよりマシだと思い、放っておきました。
3年生の皆、なんか見様見真似でパス出そうとしてんのがなぁ。相手が4年生だからといって、ドリブルしちゃいけないことはない。もちろん味方がいい位置にいるなら使ってあげればいいけど、そうでもなくマークにつかれているのに、そっちにポーン。大したルックアップもしてないし、そもそもパスの練習なんてしてないし。精度の高いボールがいくわけないね。
これまたちゃんとできていたのは次男坊。
基本、選択肢はドリブル。とはいえ、パスするような体の向きしてから逆をとるので、相手を抜いていく。
と思いきや、前のスペースで味方が空いてるなら、簡単に使ってあげたり。
しっかりと状況判断ができていて、かつ自分のしたい、自分がこれまでメインで習ってきて得意なプレイをするんだという、主張ができていたと思います。
3年生も1つ上の4年生も具体的に入力した覚えはないのだけれど、パスをするんだという意識があることは嬉しいような不安なような。
でも、いつまでたってもドリブルの選択肢しかない5年生見てると、ああなっちまうよりはまだいいかと前向きに思うことに。
なまじ上手で中央突破でゴボウ抜きして大量得点で勝つ一方、自分たちと同等レベル以上相手になるとそんな無謀なドリブル突破がそうそう成功するわけもなく、けれどそうなった時の引出しがなく、結局、成功体験に囚われて同じプレイを選択し続けるという。