運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

頑張ったご褒美は

同日に長男たち、新6年の試合も実施。

 

こちらも新生といっていい。

10番で中盤真ん中を担っていた子が、このタイミングでクラブチーム移籍。

新たなチーム構築を余儀なくされることに。

 

普段、次男たち新4年生をメインで見てるし、かつ次男たちも4時間練習始まって、ますますそちらに気を取られることになるし、2日前にも試合あったのに、グラウンド作りと1試合目の前半だけ見てフットサルに行ってしまったり(笑)と、なかなか絡むことができていませんが、ヘッドコーチがずっぽりと入り込んで、かつ、新フォーメーション試したりと、改革真っ只中ということはわかる。

 

これまでは、件の10番の子がドリブルで中央突破。パスも出すんだけど、いわゆるキラーパスで、ゲームメイク的なそれは無し。

一定以上のレベルがある子はそれを真似して、無茶なドリブル突破or一か八かの裏へのボール。

それ以下の子は、同じくドリブル特化か、自信がなくてポカンと蹴ってるだけ。

一時期これじゃあいかんと、キーパーも含めてディフェンスラインでボール回そうとしていたけれど、前にボールを確実に運ぶためという主目的が判ってないから、なんとなくキーパー使って横パス回すだけ。だって、サイドバックの子が空いてるからと縦のサイドハーフの子に当てようとする、違う!! キーパー使って逆サイドに展開してみせろよ、とその10番パパコーチから怒号が飛び交う始末。いや、前塞がれてるから、逆に運ぶんでしょ。空いてるなら、出せばいいじゃん。そんな判断もさせてもらえないから、サイドバックの子は、いつしか前向いてトラップすることは無くなり、中しか向かなくなってしまう。

有機的にパスを回そうとしていたのは、長男とキャプテンの子だけかな。この二人の間は綺麗に繋がるんだけど、それ以上、先には浸透していかず。

 

近所のスポ少レベルだと、むしろこの形のほうが点取れる。野球かと思うようなスコアに。

そりゃ、真ん中で3人も4人もぶち抜いて、どうせパス出てこないからと外に広がることもなく、止められても味方の人口密度高いから、そこで即時奪回。

 

ただ、自分たちより格上は当たり前にせよ、同格以下ぐらいになると、そんな攻めは通用するはずもなく。

 

身体を入れられる。一人は抜くにせよ、スピードは止められる。中央突破なんてできるわけもなく、むしろそこでボール取られてショートカウンターの餌食に。

ロングボールに頼るようになり、中盤間延び。

 

いつぞやの試合の後に、件の10番パパコーチが、息子のパスをフォワードの子が決めなかったから負けた、息子が可哀相だ、等と言っていたらしいが、いや、いや、その一回のパスを切り取って訴えられても。その前に何度ボールロストしとんねん、とか、不利な態勢の中、それまでなんとかフォワードの子はシュートまで持ち込んでんだぞ、とか、その頑張りがあったから相手ディフェンスラインが上がらずにすんでたんだぞ、とか、そんなもの一切取っ払っての発言をするぐらいなので、チームとしての戦いができるわけもなく。

 

ずっと一緒にやってきた子なので、このタイミングでの移籍は残念であるけれど、レベル差も埋まってきてチーム内紅白戦でも無双することも少なくなってきたし、チームのレベルアップという点では、近視眼的な指示する人もいなくなって良かったのでは。

かなり気を使ってたしね。

ヘッドコーチが存分に絡みだしたのが、その証拠。

 

で、その新生6年生。

相手は隣スポ少。

これまでは野球スコアで勝ってきた相手だが、前半はスコアレス。

パスを繋ぐ意識は持っているんだろうけれど、それを体現できるほど周りの動きが成熟できておらず、結局、ドリブルで持つ時間が長く、それならそれでやりきればいいのに、やっぱしパス回さなきゃという意識で、エリア近辺まで行くと味方を探してしまう。

ドリブルとパス、どちらも大事なんだけど、その使い分けが逆になってしまっている印象。

 

後半、ポジションチェンジしたフォワードの子が、立て続けに中央突破とロングシュートでハットトリックし、試合には勝つ。

隣とのダービーで勝利したい監督は、それでいいんだ、ドンドン行けよ、と声かけてたけど、監督、違うんです、それじゃあ、これまでの延長上でしかないんです、と僕も含めて、コーチ陣はしかめっ面。

まだまだ道半ばです。

 

 

そんな中、この試合はMVPメダルがあって、誰に渡すのかパパコーチの投票で決めることに。

うーん、普通に考えりゃ、そのハットトリックした子なんだろうけれど、彼は1度既に貰っているから除外するとして、残りは帯に短し襷に長し。

ポジションがら多くボールを触っていた子はいるが、何か具体的に成果を残したわけではないし、守りきって勝った内容でもないので、ディフェンス・キーパーからも選びにくい。

 

いや、いや、その中でも今日はこいつだろ、と思ってたのはいる。

 

何を隠そう、長男。

 

サイドバックでフル出場。

選ぶに至った理由は後で紹介するとして、もちろん贔屓目じゃなく、ホントにそれに値すると思って挙げているんだが、果たして我が子を推薦していいものかという葛藤が。

しかも、判りやすく点を取っただとか、アシストしたとか、目に見える結果なし。

ただ今日の出来なら……と僕が悩んでるのを見て、それと察したんだろうね、メインコーチが、俺は○○だと思うよ、と長男の名を。

それにつられて、俺も、と。

 

2日前、僕が1試合目前半だけ見てバックレた試合、長男はその前半に同じく右サイドバックで出場。

が、全然ダメ。

前からディフェンスするのがチームとしての決め事なのに、せっかくプレスかけてもボールを取り切るところまで詰めない。相手が後ろ向いててもターンされるのが怖いのか、足を出さない。

それならしっかりマークついててくれればいいのに、横にはたかれて、その出された先についていって、ワンツーで簡単に剥がされる。

次男坊相手に、よくこういうディフェンスする。奪いに行って、スコーンと抜かれて、それが嫌だから距離を取る。

そんなへっぴり腰でレギュラーになれるかよ。

 

その日、雷だけ落としてフットサルに。

 

それから、2日後。見違えるような守備を見せてくれました。

 

一歩踏み込んでボールを捉えに行く。

取り切れなかったとしても、それだけ密着してるので身体を抑えられる。

横にパス出す余裕なんて与えないし、後ろを向いている相手にも圧をかけ、戻ってきたハーフとサンドしてボールを取りきる。

 

フォローの意識も良かった。

基本的にはマークにつくということを指導されてきたが、ヘッドコーチからセンターバックの裏もケアという指示が出される。反対側のサイドバックは指示が理解できていないのか、それでもサイドハーフをマークしたまま外に広がっていたけれど、長男は真ん中寄りで、ロングボールに合わせてセンターバックの裏をフォロー。これでぐっとディフェンスの安定感が増すことに。

それだけでなく、前からプレスがかかっている時は、相手の余裕度見つつ、相手サイドハーフに密着マークでインターセプトもしてみせる。

うん、サッカーをよく分かってるね。久々に長男のポジショニングセンスの良さを垣間見た。

 

オーバーラップも何度かしかけて。

ホントは前を追い越す動きでライン際まで切り込めたら良かったんだけど、しっかりとサイドハーフをフォロー出来る位置まで上がり、ボールを受けて展開。

ボールコントロール自体は凄く上手だからね。あれぐらいはお手の物。

 

点差が開いてからも、運動量落とさずに走り切ったのも褒めてあげたい。センターバックが引きずり出された際も、全速力で穴埋めに。

残念ながら僕に似て鈍足だけれど、センターバックが抜かれて一対一になりかけるも、必死に戻って防いだのは成長した証。

 

勝敗決して、ドンドン選手が入れ替わる中、最後までピッチに立ち続けた、そこまで使ってもらえたっていうことは、やはりパフォーマンスが良かったということ。

 

一時期、レギュラーを外されていたけれど、これで返り咲きかな。

フォワード以外はどこでもやれる。ただ、器用貧乏。運動能力は劣っているので、どうしても足の早い子には見劣りしてしまう。

チーム編成上、スタメンから使うならサイドバックだけど、片翼を足の早い子に取られて、もう1つも前目の選手が下りてきて、って感じだったけれど、足の遅さをポジショニングでカバーし、瞬間スピードは早くないかもしれんが、スタミナで終盤になっても運動量落とさず。

これまでファーストチョイスだった足の早い子が、むしろハーフタイムで交代するようになり、逆に長男はフルで出るように。スピードの部分さえカバーできれば、ボールコントロールは圧倒的に長男が上なので、こういった起用にもなるかな。

 

この日、帰り道でMVP取れると思ってた?と聞いてみたら、取れる自信はあった、と。

それだけ手応えがあったということでしょう。

 

そして、MVPを取ったという事実より喜ばしかったのは、仲間から認められたということ。

子供達整列して、いざ、MVP発表というときに、子供達から、今日は○○でしょ、と長男の名前が出てきた。

あれ? お前ら、どこかで俺らの話を盗み聞いてたか、と思いきや、どうもそうではなかったらしい。

え? なんで○○だと思うんよ、と尋ねると、だってめちゃ頑張ってたじゃん、との返答。

うん。一緒にピッチに立ってた仲間からは、頑張ってる様をきちんと感じてくれてた模様。それを含めて、今日は長男だと。

自他ともに認めるMVP。

 

順番にもらえていくご褒美的なMVP。

それでも、半分の子に行き渡る前に取ってくれて嬉しく思うし、なによりそれに見合うだけのパフォーマンスを見せてくれたことがなにより嬉しい。