運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

なんちゃってトレセン

あくまでなんちゃって。

 

ガチなトレセンは別にあり、この地域のスポ少の子だけ集めたなんちゃってトレセンの話。

 

本当は4年生からあるのだけれど、コロナの為、あえなく昨年度は中止。

4年生時は各チームから推薦者を出せるらしく、その条件がリフティングが学年×100、つまり400回以上できること。

長男含めて8人が達成してて、1チームからそんなに推薦者だしていいものか、という話もありつつ、完全に親目線で申し訳ないけど、頑張って目標達成したんだし、たまたまその年、できる子が多かったからと言って条件クリアしてる子を推薦しないというのはおかしいのでは、という僕の意見が聞き入れられて、かつ推薦されればまず受かるはずだったのが、5年時からは完全実力制。

うーん、まずったかな。

別段、長男の実力が劣っているとは思わないけれど、いかんせん判りやすいタイプではないし、先程書いたように1チームから何人も選んでいいものかという抑止力が働いた場合、正直厳しいかな。

 

で、週末に選考会。

全6チーム集まって、2コートに分かれての試合形式。

うちのスポ少、人数多いので2チーム登録。控えが薄いので、足りない分は新4年生を入れる。

 

もうこれは完全にメインコーチがなんとか長男を合格させてあげようと配慮してくれた(つまり、それだけ当落選上になりそうだという予感があったということ)んだと思う。

トップ下のポジションで、10番を背負わせ、キャプテンとして円陣の声かけもさせ、他の子は4年生と交代させていったのに、長男はフル出場。

 

決して悪い出来ではなかったと思います。

贔屓目抜きでうちのチームでは、一番スムーズにパス出せます。まぁ、他の子がドリブルに特化しすぎ、っていうのもあるけれど。

ドリブルでぶち抜くようなプレイは無くとも、足の裏でピタッと止め、方向転換でするすると間を抜いたり。

もう本当にサボらず走ってくれる。最終ラインまで入ってディフェンスした後、ボールは左サイドに浮き球で飛んでいく。左のミッドの子が追っかけてはいるけど、マイボールだし、そのまま流すかなと思いきや、まさかのトラップ挑戦。怪しかったけど、何とか成功。ゴールラインまで持ち運んで、マイナスのクロス。

それに合わせたのは長男。エリア外からダイレクトで合わせたシュートは惜しくも枠外。これが1番のハイライトだったけど、なによりあのタイミングであのボールに追いつくということは、一切サボらずに走っていたという証拠。

 

シュートと言えば、エリア内で目の前の相手を左右に振り、抜ききる前にシュートというプレイも見せていた。残念ながらシュートが弱く、キーパーにキャッチされてたけど。でも、普段はあんなプレイしない。アピールしたい気持ちが強かったんだろうね。

2試合目はディフェンス2枚。でも、普段、3枚だから、いつもの感じでディフェンス上がり気味。そこを必死で埋める長男。さすがだねー、と褒め称えるメインコーチと僕。あのポジショニングセンスを是非、審査員にアピールしたい。

 

 

ポジショニングセンスって、なんと判りにくいアピールポイント。

 

もうねー、チームとしてはホント助かるその特徴を、けれどもそこ気づいてくれる人、いるんかね。

もちろん審査員の方々、目の肥えた人たちばかりだろうから、そこを信じたいところだけど、やっぱり試合見てる側からすると、ばーっと走り回って、がんがんドリブルで仕掛けて、相手にぶつかりながらボールを奪い取っちゃう子のほうが目立つよなー。

 

各チームにそういう子、1人ぐらいはいて。

それ以上に我がチームには沢山いて。

 

審判してて思ったけど、ボールコントロールやパスやポジショニングや、他チームの子と比べたら、全然勝ってる。

向こうのコートは見てないので判らないけれど、こっちコートの他3チーム、最初に戦った10番。うん、この子は上手い。上手いし、広範囲に動く。目立つ。この子は、確実に受かる。

同じチームのウィングの子。足早くて、ドリブル上手。長男、対峙してて抜かれないように足出さないようにしてたら、股抜き食らうという。けど、ポジショニングは全然判ってない。オフサイド引っかかること多数。

正直、この子達以外は記憶に残ってない。

 

はてさて、どうなることやら。

最後の試合の後半から審査員集まって相談。審判やってるこっちとしては気になって仕方がない(笑)

だから、この日のうちに合否出ているのに、結局、連絡はなく。

 

翌日の練習開始前。

6年生コーチが話しかけてきて、○○、受かったねー。

え? そうなの? 俺、まだ聞いてないよ。

あ、じゃあ、今の忘れて。間違ってたら申し訳ないから。

 

多分、受かってるんだろう。

でも、笑みをこぼしてちゃ、他の子に悪いし、何よりもし誤解で落ちたりしていたら僕の落胆が半端ない。

練習終わりまで我慢して(だって、途中で聞きに行くのもガッツいているみたいでかっこ悪いし)、ようやくメインコーチに聞いたら、「受かってるよ」。

 

子供らには練習前に伝えていたらしい。

合格と聞かされた時、どう思ったと長男に聞いてみると、「嬉しかった」。

翌日も超ご機嫌で饒舌。本当に嬉しかったらしい。

 

親としても、正直、感無量です。

自信というものを持たせたくて。

子供時代、判りやすいのは運動できるだとか学級委員に選ばれるだとか。

僕自身、運動神経は全くもってなく、なけなしの才能注ぎ込んでようやく小学校サッカー部でレギュラーになれたことは、けれども僕の人生の中で幾ばくかの自信になっていて、それ以上にレベルの低いそれかもしれなくとも、選抜された、試験に受かったという経験はきっと長男にとって励みになるはず。

なんかもう正直判りやすい活躍を次男が見せてしまっているばっかりに、アンド長男がいろんな意味で僕に似ているせいで誰よりも応援したい気持ちになっていて、とにもかくにも選ばれたことは良かったなぁ、と。

 

最終的には、人生どうか、ということ。

それに向けて自身を肯定する出来事があったということは本当に素晴らしいこと。

大事にしろよ。だって、あんなに一生懸命頑張って勝ち取ったものなんだから。