運動音痴のサッカー好きが大人になったら

かろうじて小学校はサッカー部。その後は文化部だった運動音痴が、それでもオタク的なサッカー好きに成長して、フットサル、息子の所属するスポーツ少年団でパパさんコーチをこなす奮闘記

チャンピオンズリーグ 世紀の大敗

一発勝負だと得てしてこれだけの点差ついてしまうこともあるでしょうが、それにしても。


【音量注意】バイエルン8-2バルセロナ LIVE配信ハイライト | チャンピオンズリーグ2019/20 準々決勝

 

 

コウチーニョ好きなので、最後はいっそ大活躍してくれて来シーズン、バルサ復帰の道を、などと夢想してたら、2ゴール1アシストで、逆に溜飲が下がったという。どうせ負けるなら、好きな選手が結果残してくれて方が、まだやるせなさも少なくなるというもの。

 

試合に関して言うと、バイエルンの超高いディフェンスラインと前線4枚によるゲーゲンプレスがもろにハマった形に。

一時期、世界を席巻したゲーゲンプレスは、けれども近年リトリートの優位性が高まる中、見事バルサ相手にやりきったという。

前線の飽くなきプレスと、それを無駄走りにしない中盤の勇気を持った押し上げ。さらに、プジョルを彷彿とさせるアラバの超攻撃的ディフェンスラインの振る舞い。

ポゼッション思考相手の最善策を見せてくれた。

 

何より効いたなぁと思うのは、テア・シュテーゲンまでプレスをかけたこと。

いつぞやのクラシコではそこまではプレスをかけず、テア・シュテーゲンからスアレスへのロングフィードを通されていたのだけれど、そこさえも消しにきた。

彼のフィード能力は世界最高クラスなのであしらわれる恐れもあるところを、実際のところ、それを上回るプレスでミスを誘い続け。

ここが一番ショックなところですかね。テア・シュテーゲンがあれだけキックをミスるシーンが出てくるなんて。

 

バルサ側にも敗因の原因があり、1つは前線の守備意識。

メッシはほぼ動かずだし、スアレスはそこそこ追ってくれてたけど、チームとしての連動性は皆無。

メッシに関して言えば、そのデメリットを補ってあまりある能力を備えているとはいえ、このクラスの戦いでは致命傷レベルに。バイエルン前線があれだけハイプレスをかけていただけに。

 

そして、そのハイプレスをかいくぐれない脆弱な中盤。

ビダルはそういうタイプの選手ではないし、セルジ・ロベルトは残念ながらポテンシャルの限界が。ブスケツも衰えが見られ。

デ・ヨングだけだよ、渡りあえてたのは。

 

そこがバルサの一番の強みだったはずなのに。セティエンに監督変えて、改めてバルサらしさを取り戻そうとしたのに、それと逆行するようなアルトゥールの放出。ピアニッチ来ると言ってもねぇ。

数年前には放出か、と囁かれていたラキティッチが重要プレイヤーになってしまっている始末。

結果的にこの試合だけみれば、セティエンよりバルベルデのほうがまだ結果を残せたでしょう。でも、そんなことは判ったうえでの監督変更・スタイル変更を決断したはずなのに、結局のところ、フロントが足を引っ張ったという。

そんな外野の醜態含めての大敗でした。

 

 

さて、ポゼッション志向相手の最適解を見せたバイエルン

このバイエルンをペップ率いるマンチェスター・シティがどう打ち破るか、バルサと同じく飲み込まれるか。

今後のサッカー界の流れを決定しかねない試合が見られるかと思いきや、まさかのシティがこけるという結末に。


【ハイライト】CL準々決勝 2020年8月15日

全く違うタイプの相手にバイエルンがどうやり方を変えてくるか、という楽しみは出来たけど‥‥‥残念ですな。

チャンピオンズリーグ アタランタ/アトレティコ・マドリーの敗戦

アタランタの儚い散り際とアトレティコの体たらく


セリエA最多得点という結果が物語る通り、魅惑的な攻撃かつ見ていて楽しいサッカーを披露していたアタランタ
ユベントス戦が、各国リーグ合わせても再開後のベストバウトだと思っていて、こりゃ、チャンピオンズリーグもワンチャンあるぞ、と期待していたものだったのですが。

超残念。


最終盤のパリ・サンジェルマンの猛攻、ケガ持ちながらも圧倒的な存在感見せたムパッペ(同じく、負傷明けのディバラが最後までもたなかったのと比較して)、なんだかんだ言ってバロンドールクラスの実力を有していたネイマールなど、もちろん相手側の要素はあったにせよ、何より痛かったのはアレハンドロ・ゴメスの負傷交代。

背番号10の大黒柱、前にも後ろにも縦横無尽に顔を出すチームの屋台骨。
彼がいなくなって、実質あのまま逃げ切るしか策がなくなってしまったのが、アタランタとしては悔やまれるところ。
厳しい見方をしてしまうと、そこの部分の層の厚さがビッククラブとの差だったということか。


とはいえ、セリエAでも3位に滑り込んで、来シーズンもチャンピオンズリーグ参戦。
ビッククラブの草刈り場とならず、是非来シーズンも現陣容の近い形で継続路線を取ってほしいところ。


一方のアトレティコ・マドリー
ヴェルナーいないライプティヒに何やってんの、というのが正直なところ。

大エース云々もそうだけど、チャンスになりかけた時のパス精度も著しく低く、この力としては2ランクほど落ちる相手。申し訳ないけどこの程度の相手に負けてるようじゃ、全然ダメでしょ。
何のためにリバプールに勝ってきたんだ。

脱力。
終わった後は、自分自身、脱力でした。

まぁ、今シーズンのアトレティコは盤石とは言い難い守備陣だったから、さもありなんといった感じだけど。
でも、再開後は好調だったし、返す返すもこの程度の精度しか持ち合わせていないチームに負けているようでは。


ジョアン・フェリックスのPKの勢いそのままに攻め立ててしまえば、というのが反省点か。
あそこでイケイケドンドンにならない、なれないのが、シメオネのいいところであり弱点。
やはり守備のチームというところで、あそこでいったん仕切り直ししたくなってしまう。

いつぞやのマドリー戦もそうだったよなぁ。
確かチャンピオンズリーグで1stレグで大敗して、けど2ndレグで2点返して。
そのままフルスロットルで撃ち合わったら逆転できていたかもしれないのに、結局そこで態勢を整えようとしてしまって。


勤続疲労も出てきてしまっているし、まぁ、このままのシメオネ体制ではこれ以上は、と思わせてくれた試合でした。
もちろんあの戦力で、この長い期間、チャンピオンズリーグを戦い続けていることが凄いことだと判ったうえで。

ブンデスリーガ再開

再開して1週間たってるけど、ようやく試合見れたので。


スカパーにはもう加入していないので、NHK BSでの「フランクフルトvsボルシア・メンヘングランドバッハ」「ブレーメンvsレバークーゼン」の2試合のみ。

えーと、ぶっちゃけますね。
バイエルン・ミュンヘンドルトムント見たかった(笑)


特に前者の「フランクフルトvsボルシア・メンヘングランドバッハ」は、申し訳ない! 見るに堪えん。
これは違うんだ。レベルどうこうではなく、ロックダウンから短期で再開された場合のサッカー選手のコンディションはどんなもんか、だとか、その際のチーム戦術としては何が有効なのか、だとか、今後、ラ・リーガ、プレミア、Jリーグが再開されるにあたって何か参考になるものはあるか、だとかを確認する試合なんだ、と頭では判っていたんだけど、あまりの退屈さに2回中断して、結局、前半で見るのを止めました。

テュラムの息子を見たいというモチベーションはあったのだけれど、うん、ごめん! 前半だけ見れば十分でした。


一方、レバークーゼンのほうは面白かった。
まぁ、僕好みのポゼッション志向だったというのは、多分に影響している。

ボランチのアランギスとデミルバイが素敵でしたね。あれだけ受けに来てくれて、散らすだけじゃなくて前にもきちんとつけるし、追い越す動きもしてくれるし。


それと、何といってもハベルツですよ!!

来シーズン、どこ行くか判らない俊英を見れるという楽しみ。

ゼロトップ的なポジショニングで、本来の彼が最も輝く位置ではなく、ボールに触る回数も期待していたほどには多くなかったけれど、パスを出すぞ出すぞ、と見せかけつつ、ぬるっとドリブルで入っていく様や、トップという役目を与えられていたため、シュートの意識が非常に高かったところは、好印象です。

うん、いいね。
バイエルン行くのか、どこ行くのか知らないけれど、ドイツ代表のこいつのユニフォームを買いたいと思わせるような選手に育っていってほしいところ。


そんなレバークーゼンの選手の面々がコンディションも良さそうにみえていたのに対し、段違いでブレーメンのそれが悪かったのはなんでだろう。

チーム戦術の違いで走らされて疲弊させられたというのはあるんだろうけれど、前半終わり間際にFWがチェイシングできないほど疲れ果てていたり、後半途中から左サイドバックが置物になっていたり、フレッシュなはずの交代選手のほうが簡単にフィジカルコンタクトで吹っ飛ばされていたり。

スタメン・サブは、戦術どうこうよりコンディションで選んだんだろね。
レバークーゼンはサブの選手でも、全然コンディション良かったのに。


正直なところ、ドイツの地理に疎いし、そもそも一口にドイツという括りにしたってどこで感染者が多くて、という情報も知らんし、そういった地域格差で始動のタイミングがずれているだけなのかもしれないけれど。

仮にそうでないとしたら、監督としては練習メニューの組み方を完全に失敗してるよね。

もうあまりにも短期の再開なので、とにかくフィジカルコンディションを上げるというのが正解だったみたい。
そりゃそうだ、っていう気もするけれど、実際にそれに集中できるチームってレバークーゼンみたいに戦術が確立しているチームだけなのかも。

過去試合を振り返ろう4 バルセロナ創立100周年記念試合 バルセロナvsブラジル代表 後編

バルセロナ創立100周年記念試合。
今回はブラジル代表について書きます。

1.豪華な攻撃陣と貧弱な守備陣


前線はロナウドロマーリオリバウドアモローゾ。その後ろにエメルソンとフラビオ・コンセイソンも控えていて。サブにはゼ・ロベルトもいる。
超豪華。


一方、ディフェンス陣。
ロベルト・カルロスはいいとして、右サイドのゼ・マリア。ペルージャにいたやつだったっけ??
センターバックについては、ごめんなさい。不勉強で。あれ、誰?

GKのロジェリオ・セニはFKで有名な選手ではあるけれど、(1点目のポカが判る通り)GKとしての素の能力は決して高くない。


完全なら攻高守低。
けど、まぁ、ブラジル代表ってこんなイメージだったんだよねー。
なんとなーく攻撃サッカーっていうイメージ持っているし、当時もアウダイールとか欧州クラブで主力張っていた選手はいたとして、攻撃陣が「世界最高峰レベル」の選手がそろっているのに対して、やはり見劣りすると評せざるをえない。


けど、最近のブラジル代表しか知らない人からすると、もしかして逆の印象なんだろうね。
今でこそ、フィルミーノ、ガブリエル・ジェズス、コウチーニョなんかもいるけれど、14年のブラジルW杯なんか、ネイマール以外のアタッカーがほんと小粒で。
ロビーニョみたいなジンガの使い手がもてはやされる国民性では、現代サッカーに有用な攻撃的選手が出にくいのかもしれないが、古き良き頃を知ってるものからすれば寂しい限りです。

2.トップ下としてのリバウドの有用性


バルセロナでは左ウィンガーとしての起用だったとはいえ、当時の世界最高のトップ下としては、ジダンorリバウドっていうのが一般的な評価だったのだけれど、この試合だけ見ると、ゲームを作るという能力については、リバウドジダンのそれより劣るのかな、という印象。
特に最近、当時のポルトガル代表の試合を見る機会多かったので、ルイ・コスタと比較しても、うーんと思ってしまう。


ポゼッションスタイル&チーム戦術を高めやすいクラブチーム相手なので、どうしても相手にボールを持たれるシーンが多かったのは、同情に値するところだけれど。
ゲームメイクという点においては、ほぼほぼ機能しておらず。


飛び出しからミドルを決めたことから判るように、やはりアタッカーという側面が強い選手。
なので、ファン・ハールが本人と衝突しながらも左サイドに起用し続けたのは、根拠のあることで、実際のところ、それが正解だったんだろうな。

3.ロナウドの万能性


この後、彼に悲劇が襲うことになるわけですが。


これ以前のロナウドも見たことはあったけれど、この後の彼を見ることのほうがずうっと多く。
なので、印象としてはデブ(笑)

けれど、点を取るという仕事はきっちりやってのける、という。


が、この試合は、(もちろん点を取るというFWで最も大事な役割をこなしたうえで)縦横無尽にピッチを駆け回り、ボールを散らすこともやりつつ、リバウドのゴールをアシストしたように、ラストパスも出して。
リバウドより、ずっとトップ下の選手ぽかったぞ。

これが本当のロナウドの姿なんでしょうね。


ベンゼマを3回りぐらいスケールアップした感じ?


あ、これ、ベンゼマの悪口です(笑)


でも、ベンゼマが事あるごとに「ロナウドに憧れている」と発言しているのも、この試合を見るとその意味が分かってくる。

過去試合を振り返ろう4 バルセロナ創立100周年記念試合 バルセロナvsブラジル代表 前編

1999年に行われたクラブチーム対代表チームという珍しい試合。


この頃、海外サッカーに目覚め始めた僕は、ボールポゼッションからサイドアタックを繰り返すバルセロナに胸キュンしており、この試合も見たかったのだが、当時はどうしても見れず。
20年たって、ようやく見ることができました。


結局、この年にバロンドールを取ることになるリバウドが大エースで、本当はリバウドのいるバルセロナvsリバウドのいるブラジル代表を見たかったところ。
ちなみにですが、僕がレプリカユニフォームを初めて買ったのは、このバルセロナの100周年記念ユニフォームで、ネームはリバウドでした。


色々と書きたいことがあるので、前編/後編に分けます。


まずは前編・バルセロナについて

1.ボールポゼッションの仕方


リスクマネジメント/カウンター対策の名のもとに、中盤を放棄し、前線3枚(2トップ+トップ下)の個の力/ファンタジーに頼るイタリア式のサッカーばかりだったフランスW杯に正直、喜びを感じられなかった僕は、その後に見せられたファン・ハールバルセロナに魅了されることになる。


ウィングのいる3トップという珍しいフォーメーション。そこにパスを送るべく、しっかりとボールを回し、そのためにDFの数を減らし、中盤の数を増やすという。
いやぁ、もうね。僕の理想のサッカーそのものだったんですよ。
なんで中盤でこっちの数が多いのにポゼッションを放棄してロングボール出すんだ、とか、真ん中、人一杯ならサイド出りゃいいじゃん、とか。


それ以来、僕はバルセロナの虜になっているわけだけど、今のポゼッションの仕方とは随分違うなぁ。
それはウィングの使い方。


ペップが最たる例なのだが、彼の戦術では、ウィングをサイドライン目いっぱいまで広げて、相手ディフェンスを横に広げるという狙いを持たしている。
いい具合にボールが入って、サイドバックもタイミングよく上がれて数的優位になったら当然そのままアタックするわけだが、そうでない時はあっさりとボールを戻したりする。相手を横に広げるという主目的は達成しているためだ。
つまるところ、外を見せておいて、一番やりたいのは中央突破になる。


一方、この当時のバルセロナは、ポストプレーの得意なクライフェルトがいたというのもあるが(というか、それをしたがためにクライフェルトを獲ったというべきか)、中央付近でクサビのボールも使いつつポゼッションしておいて、よりウィングが優位な状況を作って、そこにボールを送るというのを基本姿勢としていた。
中を見せておいて、本命は外、というわけだ。

ちなみに、時代の流れ的には、この後、サイドアタックが復権するわけだが、サイドから攻めたいばっかりに外しか選択肢がないチームが多くて、まずは中見せなきゃダメだよー、と強く思ったものである。
エスパルスですけどね。長谷川健太率いたエスパルスですけどね。


この試合は、右フィーゴ、左ゼンデンだったのだが、ボールが入ると彼らは高確率で相手サイドバックに突っかかるドリブルを見せていた。
これは今のバルセロナバルセロナを手本としているポゼッションチームにはあまり見られない傾向だ。

中盤までは細に穿ったポゼッションをしているくせに、最終段階に入ると途端に攻めが強引になるとも言える。
が、これまた、僕の理想に近しい。
だって、相手ゴールに近づけば当然相手のほうが多いわけだし、そりゃもうイチかバチかで攻め込むしかないでしょうに。


ただし、この方法、1つ弱点がある。
1vs1で勝てるウィンガーが必要ということ。
例えば、この試合、リバウドが相手チームにいってしまったせいで、せっかく作った局地戦でゼンデンが勝てず、ポゼッション率がチャンスに繋がらないという事態になってしまっていた。
実際、翌年からバルセロナが勝ちきれなくなるのだが、それはフィーゴが移籍してしまい、リバウドは中央でのプレーが多くなり、オーフェルマルスはいたものの短期の活躍でしかなく、バルセロナの強みを勝利へと変換できるウィンガーが不足したことが原因となる。


2.ルイス・フィーゴのドリブル


ゼンデンがイマイチだったのと、相手がロベルト・カルロスだったので余計にそう見えてしまうんだけれど、フィーゴの圧倒的な突破力。


改めて見ると、何なんだろうね、あのドリブル。

別段速いわけでもない。
超絶フェイントがあるわけでもない。
それでも抜いていける。


以前、解説をしていた金子達仁さんが、「緩急が上手い。特に、緩。歩くところまでスピードを落とし、そこから上げて緩急の差を大きくするから、足の速くないフィーゴでも抜いていける」と評していた。
うん、まぁ、そういうのもあるんだろうな。

ちなみにですが、その話を聞いてたから僕もフットサルで真似して、わざと歩いてからスピードアップしたりしていますが、そのやり方で抜けた試しがありません(爆)。


結果的に相手を突破しているんだけれど、カテゴライズすると「抜く」ドリブルじゃなくて、「運ぶ」ドリブルに秀でてるってことなんじゃないのかな。

相手の立ち位置・重心、ポジションなどを見極めて、効果的な方向でドリブルを運んでいく。
イニエスタも同種の抜き方なんだけど、より1vs1に特化しているというか。

3.守備陣形


3バックだったので余計そう見えるだけかもしれないが。
ああ、いや、4-3-3だったとしても、ファン・ハール曰く、「あれは2-3-2-3だ」などと宣うぐらいだから、最終ラインの数の少なさは一緒か。


「自分たちが主導権を握って試合を動かすことを前提にしているような守備陣形」と解説が評していたが、まさにその通り。
サイドスカスカ、ペップ自身のフィルター能力も低く、真正面から相手の攻撃に晒される最終ライン。
そして、その最終ラインのカオスっぷり。個々の判断だけで、チャレンジとカバーをしているもんだから連携もまるでなく。

近年ではあまり見ることのないレベルで3バックが凸凹し、ポゼッションのおかげで攻められる割合が極端に少ないはずなのに、作られる決定的チャンスが異常に多いという。


こういうのも素敵です。
この脆さ、儚さがノスタルジー


この崩壊したディフェンスラインを強固にしたのは、数年後。
プジョルのラインコントロール技術だと思う。
ポゼッションで押し込んで、取られた後も近い選手がプレスをかけることでボールホルダーにプレッシャーを与えている間に、プジョルの強気なライン押上げで、裏はオフサイドで殺し、最終ライン前のスペースも押しつぶすという。

4.カンテラーノたち


バルサとマドリー、どちらのカンテラーノが優秀ですか?


バルサは、トップチームから下部までフィロソフィーが浸透しているから、ハマればトップチームで大活躍する選手が出てくる。
ただし、あまりに意固地な戦術を学ばされるので、トップチームデビューできず、もしくは定着できなかった選手が外に出てもそれほど活躍はしない。
例えばバルトラ(ドルトムントでそこそこだったのに、結局、大成しなかった。爆破事件のせいもあるだろうけれど)、オレゲル、ボージャン、ムニエサ、クロッサス、クエンカ、セルジ・サンペール。


一方マドリーは、トップチームのレベルを上げるほどの大活躍する選手は少ないが(例外は、ラウールとグティ)、外に出ても、そのチームの主力となった活躍する選手も多い(例えば、カジェホン)。
活躍して、呼び戻される選手もいる(例えば、カルバハル)。
要するに、潰しが効く。


そんなイメージを持っているんだけど、この試合にベンチにいたのは、ロジェールとセラーデス。
うん、めっちゃ素敵じゃん。
残念ながらバルサには残れなかったけれど、他チームでも主力として活躍した2人。


ロジェールはビジャレアルだったっけ。
1シーズンで2度センターサークル内からぶちこむ、っていう年もあったし。

セラーデスは、セルタで活躍して、マドリーに引き抜かれるまでになるし。


近年、トップチームに定着する選手が少ないバルサカンテラだけど、控え組の顔触れ見ても、当時のほうに軍配が上がってしまうのかな、と感じました。

過去試合を振り返ろう3 EURO2008 スペインvsイタリア

個人的には、歴史を変えた試合No.1


No.1という表現を連続して使用するけれど、この大会のスペインは、代表チームという括りでは歴代最強のチームだったと僕は思う。

ルイス・アラゴネスという名伯楽が選手に自由を与えた結果、とてつもなく技術の高い選手たちが、スペインの持つフィロソフィーを体現したティキ・タカを、戦術という枠組みを超え、選手間の相互理解だけで成り立たせた奇跡。
これ、グアルディオラ就任前ですよ。あの戦術が世界最強、だからみんなで真似するんだ、という流れなら理解できるけど、そうじゃなくて、無から作り出していた。

実際のところ、完全に「無」だったわけじゃなく、先に書いたようにフィロソフィーがあって、そのフィロソフィーが国民内で周知されている中から出来上がることができて。


羨ましく思ったものです。
俺たちのサッカーはこれなんだ、というものを強く持っている国を。

だって、楽でしょ。
戦術の統一なんてする必要もないし、育成年代含めて、それにふさわしい人材を生み出せる土壌があるわけだから。
それに固執してしまうきらいはあるにせよ。


日本代表なんかで、「自分たちのサッカーを」なんて声が聞こえることがあるけれど、「自分たちのサッカーって何?」「それってころころ変わってない?」「それって小学生も、その辺のおっちゃんたちも理解できている(文化として根付いている)ものなの?」と疑問を思うわけで。


閑話休題


で、この大会のスペイン、ティキ・タカの美しいサッカーで相手を圧倒したのもあるけれど、それにプラスして良かったなぁ、と思うのはコンディションのピークが各選手によってずれていて、それによってチームが落ち込む時期がなかったということ。
グループリーグはイニエスタ、ビジャの調子が良く、イマイチかなぁと思っていたシャビが準決勝以降、大活躍してくれて、フェルナンド・トーレスも決勝戦でゴールを奪ってくれた。
それになにより、マルコス・セナでしょう。この大会だけ、ってな感じになってしまいましたが、MVPは紛れもなく彼のもの。弱点であった中盤の強度を一手に引き受けて上げてくれて、かといって、守備専というわけでもなく、効果的にパスを散らしてくれて。

戦術もコンディションも選手の質も、まごうことなき世界最強でした。

結局、この後、主要大会を3連覇することになるのだけれど、一番強かったのはこの時だなぁ。
EURO2012の時なんか、遺産でなんとか優勝したようにしか見えなかった。


で、決勝トーナメント1回戦のイタリア戦。

もう圧倒的にスペイン優位(それまでの試合ぶり、ピルロガットゥーゾ出場停止)の中、それでも相手は「あの」イタリア。
スペインからすると、イタリアという国は目の上のたん瘤以外の何物でもないわけですよ。
攻撃サッカーで見るものを楽しませるプレイをしたところで、結局最後はカテナチオにぷちっと潰されるみたいな。

88年間公式戦で勝っていないという歴史で判るでしょう。

なので、腐ってもイタリア、今回もやられちまうんじゃ、という思いがスペイン好きの僕からは拭えず。特に調子が良かったが故に、逆にそう思ってしまうという。


試合展開も、危惧したとおりに進んでいく。
ボールを回すも決定的なチャンスは作れず、途中からイタリアも引き分け→PK狙いを露骨に狙いだし。別にそれを批判したわけでなく、それをむざむざとやり切らせてしまったスペイン代表のメンタル面は幾許のものか。


PK戦になった瞬間、「負けた」と思いました。
PK戦はジャンケンみたいなもの、という人もいるけれど、それまでの試合の流れというのが如実に影響していて、自慢ではないけれど、この試合の前まで、PK戦の勝敗すべて当ててきました。
なんとなくわかる。流れ、こっちだなぁーとか。逆に流れ良かったのに決め切れなかったから、風向き変わるぞ、とか。

これの2年前、W杯決勝でイタリアがフランスにPKで勝ったわけだけど、あれもジダンの退場がなく、そのまま終わっていれば、フランスが勝っていたと僕は感じている。そういう流れだった。でも、頭突きで潮目が変わってしまった。


そんな風に試合の雰囲気を多分に引きずってしまうもので。
この時の雰囲気としては、ミッションコンプリートしたイタリアが、点を取れなかったって意気消沈しているスペインを叩くという絵柄しか浮かんでこず。


でも、画面越しのスペイン代表から意気消沈している感が見られなかった。


自分たちの「負け」を受け入れてる、とでも言うのが適切か。
それまでの圧倒的な攻撃力をいとも簡単に封じられて、けれどそこに悔しさはなく、そのままを受け入れていて。
あーあ、点とれなかった。イタリアは凄いなぁ、俺ら情けないな。
「勝負」には負けたな、けど「試合」には勝つよ、みたいな。


中身を強く追及してきた国が、恥も外聞も捨てて結果に拘った瞬間。
この後の4年間に及ぶ快進撃の、という世界サッカーを変えたターニングポイントはまさにこの試合だった。
そして、その試合に勝てたのは、これまでになかったメンタルをスペイン代表が持ちえたからだと思う。


いったい何がきっかけで彼らが変わったのか、判らないけれど。
でも、この後のシャビも、チェルシーにバス並べられて、ぶつくさと恨み言漏らしてたよなぁ(笑)
あの一瞬だけ変われたのかな。
けど、それによって世界チャンピオンまでなれた。

そろそろ再開が期待される頃だけど、ぬか喜びにならないように

Stay Home週間を越えて、感染者の数が減ってきている今日この頃。


GWはどこ行っても混んでいるので、元々我が家も遠出するようなことはなかったのですが、例年は近場のイベントに出向いたり、息子が小学校に上がってからはスポ少の練習に勤しんだり、もちろん自分のフットサル予定を一日置きで入れたりと、充実した長期連休を楽しんでいたのですが。
当然、今年はどこも。

長男が大きくなってきて、着る服がないということでイオンモールに決死の覚悟で突っ込んだりもしましたが、むしろ人気がほとんどなくて、近所のスーパーのほうがよっぽど密な環境。
あとは、庭で家族だけでのバーベキューしたぐらい。
晴れた日は運動広場行って、息子たちにサッカー教えてましたが、そこ、近所にクレーマーがいるせいか、全然人がいなくて、ずっとうちらだけで独占しているような状態なので、危険もなく。
外食もなしで、ホントにこれまでの人生の中で一番中身の薄いGWでした。


それもこれも、感染者を減らして、(完全な日常に戻ることはもうないけれど)少なくとも気軽にサッカーやフットサルができる環境を取り戻すためと思えば、苦もありません。


緊急事態宣言が5月末までになってしまったけれど、どちらにせよスポ少の活動も公共の体育館も、5月末まで無しということは事前に発表されていたので、個人的にはダメージなく。
不安視していた息子のサッカースクールのほうはGW明けから予定通り再開とのことで、ほっと一息ついております。


しかし、まぁ、このままの感染者数で維持できれば6月からはそれなりにサッカー/フットサルできそうな感じもするんだけれど、実際に減ってんのか、という不安があり。

いや、国民の自粛精神が効果を奏しているのは間違いないことで、アウトブレイクも起こっていないし、実際に数も減っているのは間違いないことだと確信はしているのだけれど、それにしても、なんとなく思い描いていた以上に減りが早いんだよなぁ。
要するに、ただ単にGWで検査数が少なかっただけなんじゃないの、と。
これで気が緩んで、また増加傾向に、なんてことになったら目も当てらないのを不安に思っている次第で。


自分勝手で申し訳ないけれど、ほんの短い期間だけでも再開できるように、5月末まではみんな、おとなしくしていおうよ、と思う次第。


以下、自分の願い事。

1.6月からはスポ少の活動再開


この状況なら、活動は再開できるでしょうね。
ただ、場所は‥‥‥っていうのが不安に思っているところで。

学校も再開されるんだろうけれど、じゃあ、休日に学校のグラウンドを開放してくれる度量が行政にあるか。
この自粛中に活動場所についての案は挙がっていましたが、実際問題として、やっぱり普段の学校グラウンドじゃないとなかなか難しい。
スペースであったり、料金的な話もある。


「密閉」ではないですが、身体的接触も伴うスポーツであることは間違いないわけで。
そんなこと言ってたら、サッカーなんて、というか大半のスポーツなんてずうっとできんやないか、という話になるわけで、ここは行政の英断を待ちたいところ。
ただ、うちの町。首長がヘタレなんだよなぁ。それだけが心配です。

2.日常通りにフットサル


僕の場合、週2、3回フットサルをしていたのだけれど、それを復活させるには公共の体育館の使用許可があってこそ成り立つ。
県内の体育館が一斉に再開してくれれば、それぐらいできるだけの予約は確保してるんですけどね。


窓は開けっぱなしにするんだろうけれど、「密閉」も重なるからなぁ。
剣道でクラスター発生させた例もあるし。


スポーツの種類によっては使用可、なんて区切りはできないはずなのと、大人がやることなので(重症化しやすいのは大人だけれど、行政の場合、「子供を守る」という大義名分のほうが優先されるだろうから)という名目で許可してくれると嬉しいんだけど。

全ての体育館が横にならえ、で閉鎖されることはないだろうし、最悪フットサル場借りて、というのもあるので、今みたいに全くできないことは無いと信じて。

3.ヨーロッパサッカーの再開


えっと、日本関係なくなりましたが(笑)
Jリーグ? あれはいいや。ヨーロッパサッカーのほうが見たい。


16日でしたっけ? 
大丈夫かとこっちが心配になるぐらいのスピードで、とりあえずブンデスリーガは再開する動きになったようで。
やらかすなよ。ここで上手くやってくれれば、ラ・リーガやプレミアも、と期待してるんだから。


実際のところ、イギリスもスペインもそれどころではない感ありますが、とはいえ、やっぱりね、サッカーフリークからすると、試合を見たいわけですよ。


中立地に全チーム集めて、無観客ならできるんじゃないの?と無責任なこと書いておりますが、それぐらいの娯楽がないとStay Homeやっていられない。


試合することによる感染のリスクはもちろんあるけれど、仮に出たとしても、その閉鎖空間内だけで抑えられるというリスク管理もできるし、そんなこと言ってたらホントにスポーツなんて一生できやしないじゃん、とも思うし。


まぁ、もちろんこれはサッカー選手の意思・安全を無視した、壁の向こう側にいる人間の戯言でしかないわけですが。